双極性Ⅱ型の呟きの行く先

双極性障害Ⅱ型の元早稲田生。何をこなすのも下手。

海底

雲から差す光の束は、薄明光線というそうだ。
雲の切れ間や端から光線が放射状に射すこの現象は、
別名として天使のはしごともいうらしい。


しかしこの強い光線すらも、深海には届かない。
ましてや海底にまで届くこともない。
そもそも、深海の定義は太陽光が射さないのだから、当然とも言える。


少なくとも私個人にとっては、
双極性障害躁状態は、太陽光と深海の関係に似ている。


インスピレーション、アイディア。
こういったものが私の脳の底にまで届く瞬間、時期があり、
本来なら光の射さない深海は、一時的に光が射して青みが増す。


しかし現実は、それは極の端に触れている状態なため、
薬物療法などで波を抑える事が治療の主流となっている。


現在、私の頭の中にはもうあの強い光が射し込むことは無い。


だが、これは医学上においても、現実の生活においても良い事なのである。


誰が感情や気分の荒波に身を任せたいと思うだろうか。
これは良い事なのだ。


この平々凡々とした新たな自分もまた自分なのだ。
そう言い聞かせても、
私は光のない海底を、底も見えない海の暗さから目を逸らすことが出来ない。


天使のはしごはもう私を導くことは無い。
深海を行くには自力で方向を見極めなければならない。


こんな明暗のコントラストが弱まった日々の中。


食べて、寝て、起きて、そんな時間を繰り返し過ごす事だけが
今の私の限界なのだろうと思う。