雨
寒い。
久々の雨。
傘を持つ手の甲には、悲しくも雨粒が乗っている。
私の体調は天候にいとも簡単に左右される。
天気予報よりも、私の体調で天気が予測できるかのようだ。
それでも屋根に雨が当たる音は好きだ。
豪雨の激しい音には恐怖を覚える事はあるが。
雨にまつわるものが好きだ。
傘。長靴。レインコート。
あくまで鑑賞する側にすぎないが。
寒い。
靴に雨が染みる。靴下までも侵食する。
末端神経を冷やす。寒さが加速する。
太陽は見えない。暗い。
雨が斜めに降っているのが分かる。
自動車の彩度の高い赤いライトが目に染みる。
木から垂れる雫の大きさと、その冷たさを敏感に感じ取る肌。
ビニール傘の骨組みが折れている。無造作に捨てられた、使われたモノ。
夜も雨はやまない。
雨の音が聴覚を刺激し続ける。
いつになったら陽の光を再び浴びられようか。
それが一日後でも、数日後でも、
晴れた暁には、
光合成をし続ける植物の様に、太陽に向かって外に出よう。