狂気
命の燃料。
それが今まで何だったかを意識した事はない。
しかし、今ではそれがわかる、気がする。
私の中で燻り続ける狂気の炎。
つゆも消えてくれず、燃え広がり続ける。
破滅願望。
ピタリと最後まで当て嵌めたパズルをバラバラにせんとする欲望。
順風満帆に進んだ事を破壊せんとする衝動。
独占欲。
手に入らないものへの痛いほどの固執。
血の滲むような方法で、傷を増やしながらも 手を伸ばし続ける貪欲さ。
正常と異常の狭間を行き来する自己。
脳は自動思考で侵され、自律を失いかける。
私、がここまで醜い生き物だったとは。
しかし、自己の醜さを恥じたくとも、
今は自分の中に過ぎ去っていく思考の屑を眺める事しか出来ないでいる。
自分が自分でなくなっていく、
いや、自分が徐々に遠くなるのを感じる。
それは人間の精神の、ささやかな抵抗、防衛の形なのかもしれない。
今、私はどのような表情をして、
世界に存在しているのだろう。
どこにいても存在する浮遊感と空虚感。
私を辛うじて地に留めるのは狂気という人間の性。
狂気ではなく、誰かに、
繋ぎ止めてほしいのだと思う。
それでも、私は知っている。
私を繋ぎ止めるのは所詮自分だけなのだ。
血みどろの視界、泥だらけの意識。
早く、私であったもの、を回復できますように。