幸福
日常は幸せなのだろう。
生きていく事は幸せなのだろう。
四肢を自由に動かし、心をもって自由に表現する。
なんて幸せなことなのだろうか。
さて、これは建前である。
業が追ってくる程欲深いのだろう、私は。
アイスコーヒーの氷水をすすっては旨いと
自分を騙している。
まやかしだ、何もかも。
一時の思考の過ちと感情の波に身を任せた。
その結果だ。
誰を責められる。すべて私の責任ではないか。
生きて、死を見て、死にたくなって、生きている。
手にいれたいもの程手に入れられないのは当然の事。
それが人生だと何故気づかなかったのだ。
それこそ私の絶対的な宗教として立ちはだかる、虚しき憧憬ではないか。
神が何を考えているかなど知る由もない。
でも知りたいと願うのが、残酷な人間の性ではないか。
手の届くはずもない、残酷な願望だ。
私は幻影に囚われ続けている。
切り離したくても迫ってくる影。
私が存在する限り存在する厭わしき存在。
邪魔。見たくない。
絶対も永遠も存在し得ないのだ。
色即是空、空即是色。
圧倒的絶望間の前に今出来る事。
それは少なくとも泥水をすすること。
屈服することが出来ないのであれば、
群れから離れ、余生を全うすること。
はみ出しものの流儀は、大層れたものではない。
それが私の本質と生き方なのかもしれない。