双極性Ⅱ型の呟きの行く先

双極性障害Ⅱ型の元早稲田生。何をこなすのも下手。

絶望

静かな絶望が横たわる。

それは私へと視線を注ぎ、離してくれない。

 

不思議と私を襲ってくることは無かった。

私という小さな存在を囲むかのように、

それはただ眺め、じっとしている。

 

いっそ、心の臓まで貫いてほしい、

とさえ思う。

 

心まで一つの色で染め上げられたなら、

すべき事はたった一つなのだから。

 

死、がちらつく。

 

私はこの崖を飛び降りることが出来ない。

最後の理性が死ぬべきではないと引き留める。

 

生存本能、なのだと思う。

人格、性格、感情以前の原初的本能。

よもや理性以前のものかもしれない。

 

それでも積極的に死へ向かう気力すら、

今は失っている。

私は結局どちらつかずの半端者でしかない。

 

恥を感じざるを得ない。

 

生きる屍さながら、

生きながら死んでいる現在の自分に対して。

 

家の中に溜まったごみが、

一歩踏み出せない私の小さな勇気を象徴しているようで、

厭わしく思われた。

 

 

 

沈黙。涙を飲む沈殿。

そこに涙はないが。

 

声に出ない感情が、渦巻く。

孤独が、渦巻く。

 

死にたいなんて、もう思わない。

ただ生きる事の辛さをひしひしと身体を痛め付ける。

 

痛い。

頼るべき相手は頼るに至れない。

真に頼りたい存在、そんなの、もう分からない。

 

仲間がいてなおの事それ以上を求める。

何故。

 

何が欲しいのか、欲しかったのか。

私にはもうなにも分からない。

 

ただ忘れたかった。

忘れられるほどの衝撃が、刺激がほしい。

生にしがみつくために。

 

待っているのは、極めて平凡な優しい日常。

 

その真綿のような優しさが、

今はとてつもなく痛くて仕方がないのであった。

 

過去へ

10年前の私、こんにちは。

15歳の自分。

今頃進路に悩んでる時期かと思われます。

 

あなたは真面目に過ごしてきました。

模範的であろうとして、疲れてきました。

 

あなたも気づいてくる頃でしょう。

真面目さは、時に自分を縛る鎖になります。

 

自分に差し伸べられた手を刃と誤解しては、

その鋭い警戒心からあなたはその手を

握る事は出来ないでしょう。

 

それでいい、とは言えません。

賢い聡い選択とは言えません。

 

やはりあなたはその真面目さから

逃れられることは出来ません。

 

それでも、

自分の中の理性を眺めながら、闘うこと。

プライドを持ちながら馬鹿になる方法はあります。

 

いや、あなたは見つけざるをえない。

対峙せざるをえないのです。

 

あなたの理性とちっぽけで堅固なプライドは、

誇って、強くあろうとしていい。

 

私は昨日、誇りを捨てました。

 

自分を守るため、の言い訳を初めてやり遂げました。

 

それでも私という人間は、

自我は変わるに至らなかった。

 

この真面目さが、いかに卑小で憎んだか

もう既に覚えていません。

 

あなたはいずれ、初めて創る、

ということを体験します。

 

あなたの手で創り、積み上げていくのです。

そしてそれはあなたを助けてくれる糧になります。

 

あなたはその存在を無視してはいけない。

 

あなたの真面目さの表裏一体となった、

衝動性が刹那の美しさを求めてドミノを倒す羽目になっても。

 

積み上げられたものは途中経過でしかない。

その事に私は気づいて欲しい。

 

美しさなど、ほんの一瞬の誘惑に惑わされた幻影でしかありません。

 

生きて、ください。

 

生きる事は、綺麗な事などではありません。

 

それでもあなたのゼロから創り出した創造物は無駄にしてはいけないのです。

 

私は答えを求めて、それでもまだ見つからない。

 

貰ったものをあなたの中で創り直し、

あなたの解釈で以て生きて欲しい。

 

傷だらけの身を、

自然体の美しさを見出してくれる仲間が、あなたにはいます。

 

あなたを大切にしたい、私より。

 

 

狂気

命の燃料。

それが今まで何だったかを意識した事はない。

しかし、今ではそれがわかる、気がする。

 

私の中で燻り続ける狂気の炎。

つゆも消えてくれず、燃え広がり続ける。

 

破滅願望。

ピタリと最後まで当て嵌めたパズルをバラバラにせんとする欲望。

順風満帆に進んだ事を破壊せんとする衝動。

 

独占欲。

手に入らないものへの痛いほどの固執

血の滲むような方法で、傷を増やしながらも 手を伸ばし続ける貪欲さ。

 

正常と異常の狭間を行き来する自己。

脳は自動思考で侵され、自律を失いかける。

 

私、がここまで醜い生き物だったとは。

 

しかし、自己の醜さを恥じたくとも、

今は自分の中に過ぎ去っていく思考の屑を眺める事しか出来ないでいる。

 

自分が自分でなくなっていく、

いや、自分が徐々に遠くなるのを感じる。

 

それは人間の精神の、ささやかな抵抗、防衛の形なのかもしれない。

 

今、私はどのような表情をして、

世界に存在しているのだろう。

 

どこにいても存在する浮遊感と空虚感。

私を辛うじて地に留めるのは狂気という人間の性。

 

狂気ではなく、誰かに、

繋ぎ止めてほしいのだと思う。

 

それでも、私は知っている。

 

私を繋ぎ止めるのは所詮自分だけなのだ。

 

血みどろの視界、泥だらけの意識。

 

早く、私であったもの、を回復できますように。

 

 

 

痛い。

左手の傷を見る度に、

馬鹿なことをした、と後悔する。

 

きっかけは愛をめぐる、病的な認知と行動。

ただそれだけであった。

 

人を愛し、人に愛され、

愛し合う関係になればなるほど、

何故距離が遠くなり、痛みが伴うのだろう。

 

思いやるが故にすれ違う現実のギャップ。

私はその埋め方を知らない。

 

傷だらけの体と心になっても、

ひたすら愛への信仰を忘れない。

 

自分を犠牲にした愛。

それは盲目、愚直と言えるのかもしれない。

 

愛は如何程にも素晴らしい、得難いものだと刷り込まれてきた。

 

そして悟った。

想像の内に存在しているからこそ、

愛は輝いているのだと。

 

私にとって愛は奢侈品。

それも手が届くことはない。

 

鞄や服とは違い、金で買える事もない。

尊くて、時々清純の影に見える汚い俗らしさ。

 

或いは、

禁断の果実とも喩えることが出来るかもしれない。

 

覚えてしまったが故に、忘れられなくなってしまったもの。

得てしまったが故に、手放せなくなったもの。

 

愛で溺れ死ぬこと、すら望んでいるのかもしれない。

 

しかし、現実は空回り。

自分の身体に残ったのは生傷だけである。

 

愛されたいなら、愛しなさい。

という言葉を聞いた事がある。

 

盲目になっている私の視界には、

本当に愛する人がいるのか、はたまた自分だけがいるのか。

 

私が本当に愛しているものは、何なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

幸福

日常は幸せなのだろう。

生きていく事は幸せなのだろう。

四肢を自由に動かし、心をもって自由に表現する。

なんて幸せなことなのだろうか。

 

さて、これは建前である。

 

業が追ってくる程欲深いのだろう、私は。

アイスコーヒーの氷水をすすっては旨いと

自分を騙している。

 

まやかしだ、何もかも。

一時の思考の過ちと感情の波に身を任せた。

その結果だ。

 

誰を責められる。すべて私の責任ではないか。

 

生きて、死を見て、死にたくなって、生きている。

 

手にいれたいもの程手に入れられないのは当然の事。

それが人生だと何故気づかなかったのだ。

 

それこそ私の絶対的な宗教として立ちはだかる、虚しき憧憬ではないか。

 

神が何を考えているかなど知る由もない。

でも知りたいと願うのが、残酷な人間の性ではないか。

手の届くはずもない、残酷な願望だ。

 

私は幻影に囚われ続けている。

 

切り離したくても迫ってくる影。

私が存在する限り存在する厭わしき存在。

 

邪魔。見たくない。

 

絶対も永遠も存在し得ないのだ。

色即是空、空即是色。

 

圧倒的絶望間の前に今出来る事。

それは少なくとも泥水をすすること。

 

屈服することが出来ないのであれば、

群れから離れ、余生を全うすること。

 

はみ出しものの流儀は、大層れたものではない。

それが私の本質と生き方なのかもしれない。

 

 

混沌

この頭の中のカオスは何と表現したらよいだろうか。
双極の混合状態とも言いづらい。
何故なら感情は伴っていないからである。

思考の浮上、沈殿、その繰り返し。
泡となって浮かんで消える、その繰り返し。

バグ?エラー?
誰が教えてくれるものか。


言葉が、文字が、
脳の宇宙空間をさまよう。

脳を食う文字、巣食う文字。
掬う手。非力にも零れて落ちる。

創造。一瞬にして砂の城が出来上がる。
のち、その脆弱さが故にさらさらと崩壊する。
視界は砂をさらさらと認識し、
触覚が認識するのはまとわりつくじゃりじゃりとした感覚。

気持ち悪い。

脳に広がり続けるコスモごと吐き出せないものか。
大脳皮質に癒着している、形のない概念、想像、幻想。

あるいは酸素不足で窒息させるか。
この広大な空間を壊すためだけに。

こんな状態にあって、
不思議と身体を浮かび上がらせる心地よさは皆無だ。


どうやらこんな混沌にあっても、言葉の文法は正しい。(と思われる)

救う文字、言葉。

その規則性にただ安定を求め、
膨張する宇宙を眺める、ただの一日常。